海外からの観光クルーズ船
日本は海に囲まれた島国、近隣のアジアの国々からは船でも来やすい距離に位置しています。
そのため今、訪日観光客を増やす上で注目されているのがクルーズ観光の促進です。
クルーズ観光は欧米諸国で人気がある旅行方法で、これからの日本のインバウンド観光促進にも生かしていく必要があります。
現在、主にアジア(中国、韓国)からの訪日観光客の増加に伴い、クルーズ船の日本への寄港が増えています。
2017年、海外からのクルーズ船は約2700回、2018年は3000回を超える勢いです。中国からのツアークルーズが大半を占め、2017年は地理的に近い西日本への寄港が8割でした。
資料参照: NIKKEI STYLE
観光クルーズ船の誘致、問題点や改善点
クルーズ船の寄港回数が日本一の福岡クルーズ港。寄港時には一度に1,200人~2,000の旅行者が港に降り、市内へ向かうバスへと次々に乗り込みます。
寄港回数が多い福岡港しかし、ほとんどのクルーズ船の滞在期間は6時間~7時間程と短時間のものがほとんどです。
これでは、宿泊業も潤わないし、地元の商店街や飲食店などにもお金が落ちないですね。
下船した観光客はその後、ガイド(ランドオペレーター)に連れて行かれる場所は、主に提携先の免税店や家電店というのが一般的なツアー日程です。
滞在時間も短いので観光客は日本観光どころか、日本でただ買い物した思い出しか残りませんね。
旅行会社やクルーズ会社は旅行者が長期滞在できるツアープランを考える必要がありますね。一度に数千人を運べるクルーズ船、長期滞在型につなげることができれば、県や地域また観光業全体の経済効果が期待できます。
また、より大型のクルーズ船が着岸できるようにするための岸壁整備やより快適なクルーズターミナルの建設などインフラ整備もこれからの重要な課題です。
オーバーツーリズムの問題
オーバーツーリズムとは日本語で観光公害とも呼ばれ、観光地が対応しきれないほどの観光客が訪れ、それにより色々な弊害を起こすことを言います。
クルーズ船とは違う話になりますが、オーバーツーリズムで国内の例をあげると、岐阜県の白川郷。
白川郷は世界遺産にも登録されている、合掌造りの集落で国内、問わず海外からも観光客が大勢訪れる観光地です。
しかし、最近では街の受け入れキャパシティを大幅に超え、様々な問題が起こっていました。例えば、違法駐車、ゴミの路上ポイ捨て、景観破壊、トイレ問題など。
クルーズ船はお客さんを一気に誘致できる合理的な観光手段である一方、大勢の観光客が一箇所の観光地に集中してしまい街の景観を壊してしまったり、地元住民とのトラブルを起こす可能性もあります。
クルーズ船の観光客が市内観光などをする際は、オーバーツーリズムを防ぐためにグループを分けてツアーを分散する必要があります。
まとめ
- 日本は海に囲まれた島国、クルーズ船をうまく活用し観光客誘致の増加につなげたい。
- 免税店や、電気街に立ち寄るだけのクルーズツアーではなく、商店街や飲食店など地域にお金が落ちる仕組みを作る必要がある。
- オーバーツーリズムは、地域環境を破壊する恐れがあるので何としても避けなければならない。